Stampack事例6 食品用缶のデコレーション

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スペインの技術雑誌 
2001年3月14日号からの記事

Quantech ATZがStampackに新技術を適用

バルセロナに本拠地を置くエンジニアリングソフトウェア会社 Quantech ATZ のR+D部門が、同社のソフトウェアStampackの機能を拡張させ、板成形分野におけるサービスを一新した。このソフトウェアは板成形または深絞りを高い精度で数値的にシミュレーションするためのプログラムであり、製造プロセスや生産開発の最適化を可能にする。

Stampackの新機能はブリキ缶や容器の製造業者を対象としており、容器の定義とデコレーションを支援する。図1は、プレスされた缶の金型設計段階における数値シミュレーションである。(機械)工具の製造や物理的な金型のトライアウトの前段階でシミュレーションを実行することによって、薄すぎる、破損、しわ、スプリングバックといったコストに関わる問題を削減することができる。





図 1:プレスされた缶の数値シミュレーション

デコレーションモジュール

近年の消費者需要に則って、Quantech ATZ 社は最新のソフトウェアテクノロジーを駆使し、あるプロジェクトを起ち上げた。その目的はデコレーション済みの缶が市場に到達するまでの時間を削減し、品質と生産効果を向上させるための新しいツールを開発することである。実際の缶のプレス加工の前に板材料に適用される塗装デコレーションを正確に計算することができるソフトウェア製品を使うことによって、非常に大きなアドバンテージがもたらされる。 現在缶のデコレーションに使われているCADやグラフィックデザインシステムでは、缶の成形中に発生する材料変形に関しては考慮されていない。このことは特に材料がアルミニウムの場合に重要である。なぜならアルミニウムは異方性が高く、板の方向によって結果的に変わりやすい性質があるため、塗装された画像にかなりの歪みが発生するからである。複雑な形状の場合はなおさら発生しやすい。よって板にデコレーションが適用される前にプレスの段階における材料の反応を知ることが、徐々に不可欠になってきている。 Stampackではまず最初に缶のプレス加工がシミュレーションされ(フラット板から最終形状まで)、必要な最終デコレーションがそこで缶の形状に適用され、フラット板に適用される元デコレーションが計算される。この方法では、プレス加工中の材料の反応と板の変形が絶対的に考慮される。

業界の先導的存在の一つである METALPACK S.A.Spain( http:www.metalpack.com )製の缶を例に、このプロセスを説明しよう。図 2 は、標準的な食品用缶に適用される平面画像である。 プレス加工のシミュレーションがStampackで実行されると、 この画像は 図 3 のように缶表面の予定位置に適用される。 Stampackではその後、プレス加工前の平板表面の画像が自動的に計算される(図 4)。また一方で板に平面デコレーションを適用することもでき、プレス加工された缶表面で最終的に変形したデコレーションを計算することもできる。Stampackには、静画、回転させてどの方向からでも見ることができる3D画像、プレス加工やデコレーションの動きのアニメーションなど、結果をビジュアル化するための方法がたくさん備わっている。それらの画像はどれでも指定した品質で印刷するべく出力することができる。いったん最終デコレーションが決定されれば、それを印刷用の高品質画像として出力できるのである。Stampackでは低/高品質の画像が扱え、いくつかのグラフィックファイル形式を使用しての画像入力が可能であり、異なるデコレーションや生地をいくらでもいつでも一度に解析することができる。よってプレス加工シミュレーションの過程を繰り返さなくてはならないのは、ジオメトリや製造パラメータが変更された場合だけである。現在このソフトウェアはMETALPACK S.A. Spainによって非常に有効に使用されている。同社は既に12の食品用缶および容器の製造とデコレーションにこのソフトウェアを使用している。専務取締役のAlfons Gil氏は、潜在的クライアントにとってはプロトタイプを生産するのがより速く安く簡単であると断言する。

詳細はアプライドデザイン技術営業部(Phone:03-3815-6335、またはinfo@ada.co.jp)まで直接お問い合わせさい。

図 2:
缶の垂直壁用の望ましい平面画像
図 4:
平板に印刷する最終的な(計算された)缶のデコレーション
図 3:
最終的な缶に適用された画像(プレス加工シミュレーション後)